ゲーム脳

…そういえばそーいう話もあったっけなーとか。
はじめてその記事を発見したのは、確か5年くらい前だったと思う。
著書『ゲーム脳の恐怖』などというものも結構売れ行きがよいらしいです。


つーか「ゲーム脳」って何?


という方もいらっしゃると思うので軽く説明…する前にはてな検索

「パソコンやテレビゲームに長時間興じると、創造力や理性など人間らしさに関係する脳の前頭前野と呼ばれる部分の機能が低下する」。日本大文理学部森昭雄教授は前頭前野の活動が低下した状態を「ゲーム脳」と呼ぶ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040622-00000406-yom-soci

…簡単に言うと、ゲームばっかしやってるとヴァカになるヨ?というのと同意かな。
つーか、著者でもある森昭雄って何者だ?と思ったのでこれもはてな検索

日本大学文理学部教授。医学博士 (取得先は非公開)。日本健康行動科学会理事長。
誤解されやすいが、体育学科の教授であり、脳の専門家ではない。


ゲーム脳の恐怖』『ITに殺される子どもたち?蔓延するゲーム脳』の著者。


重大事件が起きるとマスコミに担ぎ出され、「ゲーム脳」を事件のスケープゴートにする傾向がある。

…脳に関しては専門外カヨ。
そんな奴が「ゲーム脳」とか言って脳のことをえらそーに語っておられても説得力に欠けるなあ。
なんかろくでもないなぁと思いながら、確か5年前に見せてもらった記事に関しても、正直言ってツッコミどころ満載でどこから突っ込んでいいものかわからないほどのトンデモだったので、ワタシの中ではトンデモ認定していたのですが

論理が根本的に崩壊している(山本弘http://www.tv-game.com/column/clbr02/
脳に関する基本的な知識がわかっていない(斉藤環http://www.tv-game.com/column/clbr05/index.htm
ゲーム脳、言われているのは日本だけ(馬場章) http://www.itmedia.co.jp/games/articles/0506/01/news033.html


という批判の数を見るに、やはりトンデモと認定されてるシロモノなんだなーと再認識いたしました。
その中でこちらのレポートを見てみました。
http://www.tv-game.com/column/clbr02/
…なんかもう、見てるだけでアタマを抱えたくなるようなお話ですが。
いくらか気になった部分だけ引用。


そういえば、5年くらい前に記事を読んでいて、一番気になったのが、この「ゲーム脳」とか抜かしてる人、ゲームのことまったく知らないなこいつというところ。
その、なんというか「ゲーム=インベーダー」、良くても「家庭用ゲーム=ファミコン」みたいな図式から抜け出せてないご老体の姿がアタマをよぎったのですが。

山本 「まえがき」からしておもしろい。ゲームショウに行ったら、「左右に立派な白い羽をつけたエンジェルの格好をして、真面目な顔で歩いているのです。(中略)ショックを受けました」ってそりゃコスプレだ!

ゲームショウではもう開催当時からふつーの光景すら知らずに勝手なこと抜かして突っ込まれてるのはご愛嬌としまして

山本 あと、ロールプレイングゲームの説明で(104ページ)、「自分が敵にみつかって殺されないように敵陣に進入し、相手を威嚇しながら画面上で突き進んでいくというゲーム」って……、


…ちょっとまて、それはRPGじゃない。


と、当人達も突っ込みいれてましたが。
まぁ、言葉どおりに解釈したら「ロールプレイング」=役割(Roll)を演じる(Playing)から、ドラクエやFF以外にも、アドベンチャーゲーム全般、下手すると人間(のようなもの)が主人公になっているアクションゲームなんかにいたるまでRPGだと思ってるのかもしれません。
というか上記の「ロールプレイングゲーム」の説明って、私にはメタルギア・ソリッドくらいしか当てはまるゲームが思い当たらないんですが…。


ゲームはテンポが早く、思考の入る隙間がありません、とか断言してるらしいのですが、近頃のゲームだとテンポが早く、思考の入る隙間が無いゲームの方が少ないと思います。
なんかろくにゲームのことを知らないからこそ出てくる結論だったんだなーと今更ながら。

山本 あとこれもすごい。19ページの、「某大学生は、このテレビゲームを三〇時間(約二日)で一気に完了させたらしいのですが、たいへんな疲労感をもったと言っていました」って、そりゃ疲れるよ30時間は! ゲームじゃなくても30時間は疲れるよ。

――本読んでも30時間はツラい。

山本 体に良くない、30時間は。スポーツだって良くないですね。

ごもっとも。
ちなみに、ワタシは一応、プログラマの端くれです。
職歴という意味ではPCのプログラマが一番長い。
そーいう立場から見て、これはかなりきてる。

――『ゲーム批評』のほうでしたっけ、パソコンのプログラミングは考えるのがわずかだって。

山本 どういう作業をやったかによりますよね。ルーチンワークだった可能性もあるし。
どういう作業をやったか、種類によって、測定を分けなきゃ駄目でしょう。そのときそのプログラマーがどういう作業をやったかを書かなきゃ駄目なのに、それがわからないから。

――多分、見ても何をやってるかわからなかったんでしょう。

山本 プログラマーはものを考えてないなんて、そんな結論が出てくるのが不思議なんですよ。


なら実際やってみろといいたい。
どうせプログラミングに関する知識なんかろくにないんだろうけど。
だったらそーいう軽はずみな発言は控えた方が己のためだとおもいますが。
まぁ、こーいう方から見ると最近の子供がキレやすくなったり犯罪を犯しやすくなったりするのも、またこの間の鉄道事故も「ゲーム脳」が影響しているらしいので…。
…しかし、この「ゲーム脳」なる話の影響力は意外と大きかったりして。
ゲーム脳」という言葉こそ知らないが、我が親父殿ですら「パソコンとかゲームばっかりやってると脳が活発に動かなくなるんだよ」とか真顔で話してましたから…。
多分単なる与太話として話していたことなのだろうけど、それがもし事実だとしたら、「PCのプログラミングが主な職で、仕事外でもPCに向かって絵を書いてたり、ゲームをよくやったりする」ようなことをすでに10年以上続けてるワタシは廃人に近い人間だということになる。


そんな人間(子)と対話していて親父殿は疑問を持たないのか?


とは思ったが。
下手に「教授」なもんだから信じてしまうんだろうなーと思わなくも無いけど、これが原因でなんでもかんでもゲームのせいにされる現状はちょっと許容しがたいものがありますねー。
…余談ですが、斉藤環 氏の記事(http://www.tv-game.com/column/clbr05/index.htm)ではこの教授を「脳波の知識に関してはシロウト以下」と言い切っておられます(笑)ワタシもそうだと思いますけどね。
というわけで「ゲーム脳の恐怖」・・・一度読んでみたいような気はするけど、買う気はない(笑)